おたくるナンセンス

無意味なる思想・幻想・幻覚の類

【音ゲー共通テスト2024】オンゲキ部門 出題者見解&講評

 ご無沙汰してます。水無瀬透です。今期もしっかり単位を落としましたが元気です。

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 2024年1月。身内の音ゲー鯖の人達の誘いを受け、音ゲー共通テスト2024のオンゲキ部門を作らないか?」と言われたのがきっかけでテスト期間にもかかわらず作問を開始。その割には問題自体は(比較的)すぐに仕上がり、1月12日という実際の共通テストが始まる前日の公開に漕ぎつけられました。

 この記事はその音ゲー共通テスト2024オンゲキ部門のより詳細な解説と、出題者である私の見解、そして全体の出来についての講評を行う記事になります。特に出題意図のところを詳しく書く予定です。よろしければぜひ最後までお付き合いください。

全体的なコンセプトの話

 このお話をする前に皆さんにお聞きします。みなさんは大学入試共通テスト、受けたことありますか?

 受けたことあるよ!って人もいれば、まだ高校1年生だから受けてないよ、とか、そもそも大学行ってないよ~、って人もいると思います。ちなみに自分はその前身であるところのセンター試験を2回も受けました!受験料がもったいない!

 ……で、自分は2回受けたからには結構深めにセンター試験の問題を研究していましたし、さらには趣味で世界史の共通テストは毎年解いています。そんな感じで大学受験に関してはややマニア寄りだったので、自然と自分が作問する分に関しては例えそれがオンゲキの問題であっても実際の共通テストに近い形式になるわけです。

 具体的には、

  • 選択肢を紛らわしくして生半可な知識では判断しづらくする
  • 一方で、難問、奇問は排除する。公式発表の内容(=検定教科書)以外問題には使用しない
  • 正誤組み合わせ問題、時系列並び替え問題によって全体的にメリハリをつける
  • 文章題を用意し、文章から必要な情報を読み取る力も試す

ということを意識しました。その結果、割とそれっぽく共通テストの「あの感じ」を再現できたのではないでしょうか。実際、形式含めて楽しめたというご感想も頂けたのでしっかりそのあたりは徹底しといてよかったなと思います。

平均点・得点分布

 次に2024/2/3時点での平均点と、得点分布を公開します。

平均値:72.67点 中央値:75点 最頻値:70点

 平均点は高くて70点ぐらいにしたいと思って作ったのですが、正直言って皆さんの知識量をナメてましたね。恐れ入りました。ちょっと簡単にしすぎたなあ……

 分布も思ったより綺麗にはなりませんでした。平均点の割に65点以下の割合が低く、サービス問題を置き過ぎたのではないかとも思っています*1。でもちょっと難しめの問題を増やすだけで平均点はガタッと落ちるし、そのあたりの加減が難しいなあと思います。

 そして満点は31人*2いました。素晴らしい!

各問題の出題意図

第1問(問1~問10)

 第1問は小問集合として、特段のコンセプトはナシでオンゲキに関する多岐に渡る知識を「漏れなく、被りなく」問うことを目標としました。中にはある程度オンゲキをやり込んでいないと分からないような問題もあり、苦戦したのではないかと考えています。

 実際第1問では平均正答率が70.33%と全体の平均正答率である72.67%を下回っており、特に問5、問8は正答率が60%を下回りました。一方で正答率が90%を上回る所謂「点数配布問題」もなく、かなり解いてて難しく感じた人も多かったかもしれません。

問1

 問1は次のような問題でした。

初手ゲーム外知識

 ごめんなさい。最初の問題から既にゲーム外知識です。

 一応公式大会の結果は後からいくらでも公式のプレスリリースで確認できるのと、あとはこういうイベントごとには興味を持って頂きたいということで出題することとしました。他問題と一切要素が被らないので単独で出題しやすいというメタ的な理由も、当然あります

 問題そのものの解説に関しては本当に見たままなのでありません。誤答として用意した選択肢はそれぞれ「KoP4thオンゲキ部門準優勝」「自他ともに認める世界で一番オンゲキが好きな人」「KoP4thオンゲキ部門予選1位通過」に当てはまる方になっております。

正解率82.4%。misty☆Teは5.8%、hasuは2.3%の人が回答した

 オンゲキを遊んでいるだけでは解けない問題ではありましたが正答率は80%を超えており、たいへん素晴らしいなと感じました。よく見てるね。

 それとこの問題に関するこぼれ話として、実際にKoP4thオンゲキ部門の本戦に出場された方にも今回のテストは解いていただけたのですが、その際に「なんで俺の名前が選べないんだ!」という嘆きを複数例お見かけしてしまい、仕方なしとはいえ申し訳ないな……とはなりました。

 そしてその中には「KoP5thは優勝するよ」との力強いコメントを残された方がおりました。そして彼は有言実行を達成、見事悲願を達成して名実ともにオンゲキシューターの頂点に達しました。そう、あの方です。

問2

 問2は次のような問題でした。

版権曲の知識を問うことを目的に出題

 こういう版権曲知識問題ってだいたいポプアニが出る印象があるんですけど、自分はアニメ見ないPOPS聴かない東方エアプなのでniconicoジャンルしか手駒がありませんでした。あとプロセカをリリース日からやっていて*3、それで真面目にボカロの流行を追い直せるようになったのでこうした出題をしてみました。

 投稿日はそれぞれフォニイ*42021年6月5日ラグトレイン2020年7月16日きゅうくらりん2021年8月29日ヴァンパイア2021年3月9日であり、どれも2020年7月~2021年8月という短い期間に投稿されています。また、プロセカのリリース日が2020年の9月30日であること、さらにこれらは全てプロセカオリジナルではないので実はプロセカとは割と無関係に人気のボカロが展開してたんですね~ってのがわかると思います。

 オタク語りはここまでにしてこの問題自体の解説をすると、この中でオンゲキに出題時点で収録されていないのはきゅうくらりんなのでこれが答えになります。後は全部bright MEMORYに入ってからの収録で、いずれもMASTER譜面の難易度は12+で揃っています。きゅうくらりんはひょっとしたらもうちょっと難しくなるかも……

正答率は81.3%。ヴァンパイアは5.2%、フォニイは3.9%の人が回答

 正答率なんですけど81.3%で、平均点の高さを考えればまあ思ったよりは高くないなというのが率直な感想になります。理由として、収録済みの選択肢はどれも高々12+で「低難度」に分類されてしまうせいで高難度メインの人の盲点になっているからだと考えられます。正直な話、オンゲキは低難度譜面こそ演出や配置の美しさをしっかり味わえる楽しみがあるのでぜひとも食わず嫌いをせずにやっていただきたいです。特にラグトレイン、MVを見てから遊ぶと感動すると思います。

 

 

 

 ……と、ここまでがAct.3にアップデートする前に書いた内容になります。周知のとおり、2024/3/7実施の中型アプデの際に今回選択肢にした「きゅうくらりん」が満を持して収録され、問題中の4曲が見事揃ったわけですが。

???????????????????????????????

 え、レベル14??????????????????????????

 しかも譜面もめちゃくちゃ癖強いです。皆さんやってください。

問3

 問3は以下のような問題でした。

コラボイベントの知識を問う目的で出題

 はい。コラボ知識問題ですが選択肢を全て「DJコンテンツ」で統一してみました!!!!これもおれの趣味です。

 正解を先に言っちゃえばこれはD4DJ Groovy Mixになるわけですがオンゲキへの割り当てがPeaky P-Keyと輪舞曲だったお陰でアビスメアが出る前の推しワンツーがオンゲキで実装されて神でした。グルミク自体はソフィアちゃんが引けなくて引退しちゃったけどそろそろ限界精度修行のために戻りたいなと思ってます。全然重い腰上がんねえけど。

 一方で電音部とCrackin'DJは「コラボイベントはしていないが曲は入った」コンテンツになります。Let Me Know (feat. Masayoshi Iimori)、皆さんやりましたか?まだやってない人は譜面内容は調べずに初見で遊んでみてください。MASTERは難易度13なのですが、本当にビックリすると思います。そして自分は電音部も好きです。そろそろコラボイベントもやって欲しいです。

 あとCrackin'DJは名前しか存じ上げないのですがグルミクコラボと同日に「同じDJコンテンツだしこいつもぶち込んじゃえ!」っていうオンゲキチームの悪ふざけで「あの」In Chaosがブチ込まれたという経緯があります。これについては後ほど詳しくお話しします。

正答率は74.7%。beatmania IIDXは6.3%、Crackin'DJは2.1%が回答

 この問題も正答率は予想より低かったです。ビートマニア以外音ゲーマーにはマイナーだからってこんなことある……?って感じで割と残念でした。ところで自分はまだDJコンテンツの現場に行ったことがありません。流石に関西住みだしシンサイバシエリアの現場には凸るべきかと思っていますがお金がありません。全部あの機械に吸われています。助けて!

問4

 つづいて問4です。このあたりから難易度が上がっていきます。

コンポーザー知識問題

 ここでようやく出ましたね。そう、センター、そして共通テストの地歴公民ではお馴染みの正誤組み合わせ問題です。2択を組み合わせるだけで簡単に正答率を下げられるのでぜひ使いたいなって思ってました!ごめん!

 問題自体は作曲者の知識を問うかなり基本的な問題です。とはいえ作曲者までちゃんと見てるオタクなんてあんまりいないよな……と思っていたので正答率は6割とかだと思ってました。でもそんなことはなくて、

正答率75.4%。ともに誤であるとする回答が5.6%、ともに正であるとする回答が4.8%

 こんな感じで僅差ではありますが問3よりも高かったです。読みが外れて逆に不服かもしれない。

 問題自体の解説として、まずAの文から見ていくとigelさんは霧の書斎の他にもDiamond Dust -crystal piano Arr.-をオンゲキに書き下ろしています。どちらも癖強めの14ですね。一方、BのLimeさんが書き下ろしているのはSelenadiaであり、Meteorsnowではございません。ともにMAS譜面の譜面定数15.4*5かつ高瀬梨緒のボス曲ということで軽く引っ掛けてみました。ちなみに、Meteorsnowの作曲は太鼓の達人の竜シリーズで有名なあず♪さんになります。

問5

NOTES DESIGNER(譜面制作者)の知識を問う問題

 はい。問題の問5です。皆さん、NOTES DESIGNERの所はちゃんと見てますか?自分は主に攻略のために意識的に見るようにしていますが、あまり見ないという方がかなり多く、わりかし悲しい気持ちになっています。

 実際音ゲー共通テスト2024の統括をしてくれていたエルくんからも「ND問は一般のプレイヤーにとってはかなり難しいからあまり出さないで欲しい」との意見を貰っていました。その上で「譜面-100号はキャラが強いから出していいよ」という譲歩を引き出し、もともと予定していた問題を変更して作ったのが現在の問5になります。つまり、元はもっと難しくする予定でした。

 まあ何が言いたいかというと自分はそのぐらいNDの事は気にしてあげて欲しいと思っています。これはオンゲキに限らず、CHUNITHMやmaimaiでもいえる話なのですがこのゲームの譜面制作にかける熱量は本当に段違いです。素質に溢れるND達の渾身の譜面を何十回、何百回とテストプレイして粗を削り出し、その曲その曲における彼らが考える「最善」が提供されています。もちろん傾向には波があり、今の流行りの傾向が気に入らないみたいな意見はあるかもしれませんが、それでも一定の質は担保され、たまにはっちゃけることはあってもゲームが崩壊することは決してない、そういう品質管理がなされています。

 その上であってもNDごとの特徴というものは消えません。譜面は人が作っているからです。特にそれが強く現れるのが譜面-100号という天才で、毎回毎回もうほんとに癖が強い。「どうやったらこんなわけわからんものを出せるんだ!」って毎度毎度思います。そこでこの問題では他の人が作ったこれも癖の強い譜面の中から、譜面-100号のものを探せという趣旨で出題しています。

 結論として、これの正解はIn Chaosになります。そうです、問3で少しだけ話したアレです。実際この譜面は強烈なアクがありながらも譜面-100号の譜面の中で最もよくできているといっても過言ではない譜面で、オンゲキの譜面クオリティリーダーを務めるものくろっく先生からも、

In Chaosの立ち回りとしてはもうこれ以上ない完璧な譜面だと思います。稼働初期の頃からクラッキンDJの楽曲はオンゲキと相性絶対いいよね~とは思ってたんですが、実際にレバー操作してみるとこんなにプレイ感が近くなるんだなと。とはいいつつノーツ数の少なさのせいで難易度付けに過去一苦しめさせられ、フタを開ければユーザーの阿鼻叫喚と隅から隅まで100号らしさが炸裂された譜面になりました。 *6

 という感想を引き出す良譜面となりました。個人的にはSSS狙いなどの段階だと苦行であると捉えられない可能性こそあるものの、SSS+以上を狙いだすと非常に楽しい譜面になると思います。出来ない!と感じる人はある程度地力が上がるのを待ってから詰めてみると昔の自分では感じられなかった味を楽しめるのではないでしょうか。

 一方、誤答として用意した選択肢も味のある癖譜面となっています。それぞれTECHNOPOLIS 2085がみそかつ侍花と、雪と、ドラムンベース。が一ノ瀬リズFragranceがロシェ@ペンギンの譜面になります。どれも初見はびっくりするどころか大爆死間違いなしの譜面ですが、詰めれば詰めるほどその魅力がわかってくる譜面です。

正答率52.4%

 正答率はエルくんの予言通りの低さでした。いやでもこれはもっと出来て欲しかったな……というのは、譜面作者オタクである自分のわがままかもしれません。

 最後に今回選択肢として出題した残り3名のNDの魅力を言って終わりにします。どれも大好きな譜面作成者です。

 まずブツカツ……みそかつ侍先生バッチバチの鍵盤譜面を作ってオンゲキネイティブを苦しめるイメージとは裏腹に、オンゲキらしさに溢れた癖つよ譜面も作れちゃうという二面性を持ったノーツデザイナーです。前者の傾向で一番好きかつ一番嫌いな譜面が宿星審判[MAS]になります。自分が全然できなくてけちょんけちょんにやられてる一方で、本人が譜面部会報にも書いている「流れを読み解きながら鍵盤をシバく楽しさ」が一番伝わって来る譜面が現状これなんですよね。後者の傾向だとヒステリック・ナイトガール紫、大好きです。こういうバランスの譜面が一番いい。全体的にしっかりと色を見極めて押さなきゃいけない一方で、最終的に全押しで突破できてしまえるところも含めてオンゲキらしいと思います。

 次に一ノ瀬リズ……もといものくろっく大先生ですね。レマス狙いをしているときに「おまえの書く15癖マッハなんだよ!!」ってキレることはありましたが結局大先生のお力添えなしには今のオンゲキってないんですよね。クオリティリーダーをやっていることからも分かる通り、この世で一番オンゲキというゲームへの解像度が高いです。だからこそ作れるハイクオリティかつ飽きの来ない譜面の数々が魅力……だと思うのですが、自分は「普通のオンゲキ」をこのところあまり楽しめていないのか、それとも単に趣向が変なのかはさっぱり分かりませんが最近は聖者の鼓動のMASTER譜面を彼の最高傑作として推しています。難易度の上げ方、難易度設定、ゲームバランス等疑問点の多く残る譜面であるにも関わらずあそこまで面白いのは本当になんなんでしょうね????レマス狙いの時は高難易度譜面の癖の付きやすさでキレてたけど今はもっと別の理由でキレそう。

 最後にロシェ@ペンギン先生ですが彼のユーザー目線での魅力はなんといってもその爆発力です*7。正直自分は彼のレベル14を遊んでいて「あまり面白くないな……」と思ってしまったことが多々あるのですが、結局これって彼特有の多動譜面がレベル14という難易度帯にあまり合っていないからなんじゃないかな、ということに気づきました。で、これがどういうことかというと逆にレベル14+においては彼のセンスである爆発力が存分に発揮されているということです。特にScythe of Death[MAS]とかもうあまりにも素晴らしすぎる*8。何食ったらこんな譜面書けるん????????いやマジで。全ての動きがオンゲキらしさマシマシで楽しすぎる。好きすぎて全ランにお邪魔しちゃったぐらいには神です。今は低難度でスコア力を一から鍛え直す作業をしていますが、そのうちこれも9500は出したいな~と思っていたりします。

問6

 問6は問5よりはいくらか落ち着いた難易度の出題となります。

MEMORYチャプターの仕様についての問題

 ゲーム自体の仕様を聞く問題についても通常プレイで気になる範疇であればいくらかは出したいと考えて今回は複数出題しました。これもその1つになります。MEMORYチャプターについては特に仕様が変わっているのと、特別なコンテンツを解禁するにあたっては必ず通る必要がありますので出題しました。

正答率83.6%。青は5%、緑は2.1%となる

 割と細かいことを聞いた感じですが、正答率は83.6%とかなり高くなりました。選択肢の正誤に関しては見ての通りなので特に言うことはありませんが、強いて言えばエンカしたシューターとマッチングをしようとして「やっばこれメモリーチャプターだった!」ってなった人は割といたんじゃないかなと思いますし、それで正答率が上がったのではないかと考えています。

問7

 問7は以下のような問題でした。

問7 オリジナル曲知識・キャラ知識を問う問題

 ここでようやくキャラゲー要素が出てきました。歌唱付きオリジナル楽曲の知識を問う出題です。対戦相手が茜なので1番目は茜固定にして、あとの2人だれだっけ?っていう質問にしました。別にジャケに全員描いてあるし、曲中の声ネタも3人の特徴が出ているのでさほど難しくない問題だよな、と思って出題しました。

正答率66.2%。緑は3%

 しかし実際には66.2%しか答えを正しく選べない、という結果になりました。もうちょっとボーカル曲を聴いてください。というか、この曲に関してはEXPERT、MASTERともに強烈な譜面がついてるのでやったことはあるはずですし、なんとなくでも答えられると信じていたのですが……

問8

 そろそろ満点阻止問題を出すお時間かな?と思ったのでここで一発。

オンゲキの楽曲についている「ジャンル名」の知識を問う出題

 実際の共通テストにもありますよね?こういう重箱の隅つつき。そういうわけで今回は「ジャンル名」というものから出題をしてみました。

 まず「ジャンル名」とは何か?ということなのですが、もともとbeatmania(5鍵)には収録曲に「ジャンル名」というその曲の音楽ジャンルを示す表記がありました。そのうえで選曲画面では曲名が表示されずにジャンル名だけ出てくる、ということが実際にあったようです*9。そしてpop'n musicはオリジナル曲に関しては固有のジャンル名が曲ごとについている時代があったため*10、ポッパーの間では曲をジャンル名で呼ぶ風習が根付いています*11。そしてオンゲキにおいてはこの特にpop'n music的な意味での「ジャンル名」を曲ごとに割り当てている、というわけです*12。もっと詳しく知りたい方は当記事補足をお読みください。

 しかしオンゲキでは曲名と同時にジャンル名は出てきません。え?それだとユーザーが曲ごとのジャンル名を知る術とかなくない?と思われるかもしれません。しかし、オンゲキをある程度ガッツリ遊んでいる方は「あー、あのマンスリーミッションを進めると手に入るゴールド称号のことでしょ」という反応をすると思います。そこで毎月オンゲキオリジナル楽曲のジャンル名が1つずつ明かされている、というわけです。

 特徴的なものについて「(ジャンル名) / (曲名)」という形で具体例を書くと、

  • NEOEDOBTZ / ブツメツビーターズ*13
  • Heltz Out / Ai Nov
  • OTAKU HAPPYCORE / まっすぐ→→→ストリーム!
  • Wダイスケ / 脳天直撃
  • いっぱい / Don't Fight the Music

といったものがあります。いかにも音楽ジャンル名らしくない変なものが多いところもpop'n musicリスペクト*14であると考えられます。ちなみにAi Novのジャンル名がHeltz Outである一方でAi CはAiがジャンル名です。ややこしい。

 で、問題文に話を戻すとまずR'N'R Monstaのジャンル名は220で、Aは正しい文章ということになります。一方、ミラージュ・フレイグランスのジャンル名はProgressive Fantasiaというまだ称号化されていない(が、ジャケットや作曲者公開の音源等に併記がある)名称になります。したがって、Bは誤った文章ということになります。ちなみに大宇宙エモーショナルエレクトロロックResolutionのジャンル名です。

正答率40.6%。思ったよりは悪くない

 結果として正答率は4割程度と、まあ鉛筆コロコロよりは高い確率で命中していたなと思います。まあなんにも引っ掛けとかやってないしそりゃそうか。別にこんな問題当てられなくても……とは思いますが世の中にはオンゲキの曲ですらジャンル名で呼んでいる変な人がいるので万が一そういう人とお酒を飲むことになったらちょっと大変かもしれません。

nitrone7.hatenablog.com

 自分も毎月ゴールド称号を回収できているわけではないのでこの問題を作成するにあたりこちらの記事を参照することにしました。ありがとうございます。ちなみにこの人はオンゲキのことをpop'n musicであると認識しており(?)、そのため当然オンゲキの曲もジャンル名呼びしています。(??)そして彼の影響で大阪大学音ゲーサークルではDon't Fight the Musicを「いっぱい」、And Revive The Melodyを「いっぱい2」と呼ぶのがメジャーなのだそうです。(???) いや、意味分かんねえよ

問9

 問9は譜面知識を問う問題です。

特徴的な譜面の知識を問う出題

正答率81.3%。青が5.4%、黄が5.9%

 これ意外と正答率高かったですね。選択肢に入れた譜面はどれもAct.2の時点では14+以上*15だったので、その難易度帯に触れられていない層はもしかしたらわかんないかな、と思ったのですがそれでも8割が正解しました。実は世の中って高難易度特攻をする人の方が多数派なのでそれで正解率が上がったのかもしれない。

 選択肢の文章は上から「FLUFFY FLUSH[MAS]」「Good bye, Merry-Go-Round.[MAS]」「エータ・ベータ・イータ[MAS]」「Marbleblue.[MAS]」の説明になります。どれもこれもこの壁配置が難しいがために難民が発生している、という特徴があります。ちなみにメリゴの壁に関してはRRLRLRLR(先に右手で2回叩いてから左右交互に6回)でシバくのが一番安定したのでおすすめしています。

問10

 第10問はオンゲキ本体のイベントについてのクイズ!

オンゲキーズ王時系列並べ替え問題

 これも「本家の共通テストみたいな問題が欲しい!」ということで実際に世界史Bなどで出ている形式をパクりました。あちらでは数十年スパンで年代並び替えをしますがこちらは数カ月スパンの並び替えです。

 オンゲキーズ王はこれまでに2023/3にマーチングポケッツ王2023/5にASTERISM→2023/6・7にビタフレ王→2023/9に⊿TRiEDGE王→2023/11にR.B.P.王→2023/12に刹那王→2024/2にななほり王という順番でやっていました。そういうわけで正解はc→a→bです。これが正しいのでこれ以上はコメントがありません。

正答率65.4%。細かい割合は省略

 正答率は65.4%と期待したほどは高くなかったです。この1年アクティブだった人しか解けないからそれもそうか。a→c→bを選んだ人がやけに多かったのですが、当時はRBP王からかなり日が浅くてそれが最後なことだけは分かったけど2択を外した、みたいなパターンなんですかね?ASTERISMが主人公なんだから最初だろうみたいな読み方をしたのかもしれません。

第2問A(問11~問13)

 第2問A・Bには「会話問題をどうしても入れたい!」と思っていたのでASTERISMと⊿TRiEDGEで一席やらせて頂きました。それぞれ第2問Aを音ゲー問題、第2問Bをカード問題として設定しております。しかしこの試みのためにまず「キャラの解釈・書いている内容の正当性に納得のいく問題文をつくる」という点が難しく、公開直前までかなり頭を悩ませていました。

第2問Aのリード文

 第2問Aのリード文がこちらです。こちらですが、作問当時私が所属する魔王軍では2人がAct.2のレマス狙いの最後の追い込みをしており、それを受けてこちらで作成した文章になります。割と最初の葵の「あのねぇ、あかり……私は今そのオンゲキで悩んでるの」を言わせたいがために作った文章です。こちらのレマス狙い事情については以下の記事をお読みください。

otaku-luna.hateblo.jp

 オンゲキネイティブの人がレマス狙いをするにあたり、鍵盤譜面の攻略は避けては通れません。しかし公式で定義されていない「鍵盤譜面」という単語を使用することにはこちらもかなりの抵抗があり、テストプレイヤーの人達からも「鍵盤譜面という言葉を使うべきではないのでは」という意見を貰ったこともありました。しかしそれでも鍵盤、というワードを伏せてレマス狙いの苦しさを表現することは難しいと思い、リード文中でその意味を定義して使用することにしました。あと柚子は初見力が高く鍵盤譜面をさっとやるのが上手いけど詰めに向かないタイプで葵はその逆だと思ってます。

問11

 まずは問11です、下線部(a)の「RATING MASTER」に関する内容が出てきます。

「RATING MASTER」についての知識を問う問題

 こちらですが1個だけ強烈な引っ掛け選択肢があります。何か分かりますか?そう、一番下です。ここで一番それっぽいことを書いている上に実際の正解の選択肢はふわっとしたものとなっている、というのがこの問題のミソです。先に他の間違いの選択肢を潰しておくと、称号「RATING MASTER」の取得要件はMAX RATINGが17.00に達することであり、これはになります。

正答率は49.5%。赤は5.5%

 結果として4割近くの人が引っ掛かりました。では何が引っ掛けなのかというと、以下の画像の通りCHUNITHMで手に入る称号って「ONGEKI RATING MASTER」なんですよね……

つけるとこんな感じ

 逆にレベル15の全てに触れる必要はありません。実際に怨撃μ3など、ベスト枠に入れることが困難な楽曲を避けてレマスになる人は多いです。とはいえ自分の身内には「怨撃を完走出来てない奴がレマスを名乗るな!」みたいな思想の人もいるにはいます。自分としても名乗るなとまでは行かないものの、レマスを名乗るからにはありとあらゆるタイプの譜面に対して果敢に立ち向かうパッションを持つべきかなとは思います。

問12

 問12は下線部(b)に関連する問題です。

「鍵盤譜面」について、そのレベル知識を問う問題

 例えば公式がレーダーチャートを出していて、"NOTES"や"3-COLORS BUTTON"みたいな名前で鍵盤傾向を表していればもう少し攻めた出題が出来たのかな~とは思っているのですが、今回はこのぐらいの抑えた出題に留まりました。選択肢は全て公式発表の譜面部会報にて「鍵盤」「階段」「乱打」「指押し」などの言葉で言及があったものを選んでいます。

 で、この選択肢を改めて見て気付かれたと思いますが、この問題は現在、不成立状態となっています。というのも他の問題に関してはこれ途中で正解変わったら大変だな、と思って「2024年1月11日現在」という断りを入れていたのですが、ここで自分は「まあエメラルドが今すぐ14+に上がることはないやろ……」とでも考えたのかその断りを入れなかったのです。いや冒頭の注意に書いとけや!

正答率は80.1%。赤は4.0%

 とはいえAct.3へのアプデ以降はほぼ新規の回答はないので統計は正確だと思います。正答率は8割と、期待通り高いものとなりました。

問13

 最後に下線部(c)についてです。

「レベル14」についての知識を問う問題

 ここまで見て気付いたとは思いますが、第2問Aに関してはリード文は一切読まなくても解けます。ですが一応自分の思想らしきものは出しておきたいとは思ったので、それに寄せた出題はしています。で、じゃあその思想って何よ?って話をすると「下からしっかり埋めること」ですね。特にレマス狙いであればレベル14をまずがっちり固めておくのは大切だと思います。

 そんなレベル14についての問題です。前問が簡単なのでこっちは逆に難しく作ることでバランスをとっています。このいやらしさこそ共通テストらしくていいよな!と思いながらノリノリで紛らわしい選択肢を3つご用意しました。

 一個ずつ見ていくと、まず「レベル14のEXPERT譜面」は2024/1/11時点では「Fragrance」「光焔のラテラルアーク」「μ3」の3つなのでこの選択肢は不正解です。μ3は覚えてるだろうけど大体の人は光焔忘れてるかフレグラ記憶から消してるかだと思います*16。また、Act.3アプデ以後はここに「FestA of PandemoniuM」が加わり4つとなっています。

 次にレベル14からレベル13+に降格した譜面ですが、これはいくつかあります。自分がぱっと思い出せるだけでも「Vibes 2k20」「Cyaegha」「Suspiro」が実際に初出14で、現在は13+に降格しています。また、Act.3アプデの直近例だとSWEET SHAKE!!白がこれに該当します。まああれは14あったのがおかしかったので……

 そして、3つ目の選択肢である「POPS&ANIMEジャンルにおける最高難易度はレベル14である」が正解となります。出題時点では「ジングルベル」「宣誓センセーション」「カナリア」「あ・り・ま・す・か?」がレベル14であり、さらに現在はこれに「INTERNET YAMERO」「3分ガール」が加わっています。将来的にありますか白に正数の譜面定数が付いたら確実に14+以上になりそうですが蔵譜面だし厳しいかなあ。

 最後に、「レベル14からレベル15への昇格」ですがこれはまだ事例がありません。一番この状況に近そうなのはShamshir -rough Pt.2-(MAS)であると考えられますが結局14.8から動くことはなさそうです。エータは逆に14に帰っていったしなんならゼーレンの方がこのポジションに近い、という状況です。多分これが達成されるにはそれこそXevelやシャムどころの話じゃ済まない超絶詐称の14が登場しないと無理でしょうね。そんなの出て欲しくもないですが……

正答率63.6%。赤は4.1%

 正答率は63.6%と狙い通りの低さでした。オンゲキを真面目にやっている人なら選択肢の文章を丹念に読めばよいので、そこまで理不尽な問題ではないと考えられます。

第2問B(問14~問16)

 第2問Bは以下の文章をリード文として用意させて頂きました。

第2問Bのリード文

 はい、こういうの書きたかったんですよね~~~~~~~~!!!!!!!⊿TRiEDGEってアステのライバルではあるんですけど、3人揃ったら途端にコントが始まるんですよね。これをどうしても描写したかった。そんなこんなでリード文は身内の藍原椿オタク(2名)の協力も得つつしっかりと納得できるものが完成……したのですが肝心の問題はめっちゃ簡単、というオチに。

問14

 自明問です。解説はさくっと済ませます。

筐体周辺機器の知識を問う問題

正答率98.7%。赤0.3%、黄0.9%、緑は誰一人として選択せず

 CHUNITHMとmaimaiも同じ機械を使用しているためかほぼ誰も間違えないという結果に終わりました。カルトフューチャーに語感を寄せて作った引っ掛け選択肢の「カードシューター」に至っては誰も選ばない結果に。正直ここまで正答率が高いのは予想外でした。単におれの周りにいるオンゲキやってる人たちが音ゲー部分にしか興味ない人達ばっかりで感覚麻痺してたのかもしれない(しかも、その人たちもここは落としてない)。

問15

 こちらも正答率の高かった問題です。

SSRカードシリーズの知識を問う問題

正答率90.0%。赤と青各4.7%、緑0.7%

 こちらも正答率はかなり高かったです。MUFとDDAとDDF、あとDDAと名前が似てるDaybreak Angels*17で選択肢を作りましたがまあ流石に方々で名前聞くし瞬殺、か。

 ちなみに現在DDFとDDAを獲得するための第5章ジュエル集めの効率はONGEKI MEMORYまたはENDチャプターで周回するのが最高効率となっています。最低でもMUFの3凸以上を3名揃えましょう。おすすめは全属性に弱点攻撃できるセツナと各スラッシュ持ちです。

問16

 最後は楽曲解禁の問題です。といってもAct.2まで限定の問題。

楽曲解禁方法についての知識を問う問題

 ONGEKI bright MEMORYのAct.1Act.2においてRecollect Linesを解禁するにはEND CHAPTERにおける特定の画面で星咲あかり、藤沢柚子、三角葵のMake Up Future!をそれぞれ1枚ずつ印刷し、カードスロットにセットする必要がありました。Act.3でもこの解禁方法を残して欲しかった気持ちもありますが、セガ的にはコアなファンしか喜ばないような要素でムダに敷居を上げたくなかったのかもしれないですね。

正答率87.1%。青4.4%、黄4.7%、緑3.8%

 これも正答率約87%と非常に出来が良かったです。

第3問(問17~問20)

 第3問は画像問題を4つ出題しました。難易度は結構バラバラです。満点阻止問題も用意しました。前年は画像問題が10問ありましたが正直ネタ切れを感じていたので4問に。その分が会話に行った感じです。

問17

 第17問。今回最も難しかった問題です。

めっちゃ細かいネタについての知識問題

 皆さん、アリサのテーマ[MAS]をやったことはありますか?やったことがない?それは非常にまずい。

 アリサのテーマはAct.2まではアリサが対戦相手でした。で、このアリサという人物ですがCygamesのゲーム「Shadowverse」に登場するキャラクターです。

森の守護者、"森番"として一人前になるために日々修行に励むエルフ。

相棒であり、親友でもあるロザリアのことを家族のように慕っている。

ある日、ロザリアと一緒に森で修業しているところを謎の怪物に襲われてしまう。

―――公式サイトより

 で、このキャラクターは森番として一人前になるために修行している、とありますから住処は当然「エルフの森」と呼ばれる森です。じゃあ出てくる背景も当然森になると考えるのが妥当、だと思いますよね?しかし残念ながらこの問題、正解は2ではなく1になります。

 じゃあ1がなんなのかというと、これはゲーム「プリンセスコネクト!Re:Dive」というゲームに出てくる街「ランドソル」になります。で、このアリサというキャラクターはプリコネRにも登場しており、そのためかオンゲキがプリコネRとコラボした際になぜかプリコネの曲と一緒に収録されるという珍事が発生しております……

D4DJコラボの時のIn Chaosとは異なり、ガッツリコラボに取り込まれている

 画像を見て分かる通りこのコラボはぺコリーヌ、コッコロ、キャルの3体に3Dモデルが実装されるというかなり気合が入ったものになっています。時代は2019年、まだまだオンゲキのコラボ3Dモデルの実装が真面目に行われていた頃です。

 ですが背景も2つ作る、というわけにはいかなかったらしく、このアリサのテーマにおいてもLost Princessの背景であるランドソルが採用されてしまった、というのが事の経緯になります。ちなみにこの背景はそんな事情の割には凝っていて、なんと曲後半で夜になります。その労力でエルフの森実装しときゃいいだろ

正答率47.7%。黄は4.1%

 そういうわけで正答率は最低ではないのですがこの問題が一番難しい、というより一番ダルい問題だったかと思います。実際正解者に迫る数の人が2を選択したようです。シャドバはやったことあるけどオンゲキのアリサのテーマは知らなかった、と言う人が多かったかもしれません。しかし先ほども書いたようにアリサのテーマのMASTER譜面をやったことがない人、マジで危機感持った方がいい。

 ちなみに残りの選択肢は3が「ブルーアーカイブ」からキヴォトス、4が「Arcaea」の背景になります。ブルアカコラボ、待ってます。

問18

 問18も難しかったようです。

「いちげき!」への理解度を問う問題

 正直言うとこの問題は難しいと思って出していません。なぜなら正解の選択肢にした1コマは2023年4月1日の時点では未公開のいちげき!であったからです。それが3番になります。だからちゃんといちげき!の過去回を漁ってたら瞬殺だろう、と思って出したのですが正解率は49.3%に留まる結果となりました。

正答率は49.3%。赤は5.7%

 不正解の分布を見ると「いちげき!のテーマ」の歌唱を千夏が担当していた影響で2.を選んだ人は少なかったです。逆に茜推しとして1.を選んだ人が3割以上もいるという事実はなかなかに受け入れがたい。いちげき!、本質なんでみんなほんとに読んで欲しい。オンゲキの女の子はみんなかわいいから。

問19

 問19は一転して簡単でございました。

LUNATICの知識を問う問題

 CHUNITHM初出のボス曲たちからLUNATICが実装されているものを当てろ、という基本問題です。LUNATICって問題作りにくいのもそうなんですけどなにより自分のLUNATIC知識が足りず、このような問題になってしまったのはまあまあ悔しいですね。今はLUNATIC譜面を色々と学んでいる最中なので、次に出す機会があればそこから出してみたいですね。

 正解は2のmacrocosmosで、こちらはCHUNITHMのWORLD'S ENDでいうところの「招」譜面の立ち位置で実装されました。一部を除いてCHUNITHM側のMASTER譜面ほとんどそのまま、という譜面になります。逆にこっちにはMASTER以下の譜面がありません。

正答率92.1%。1は2.2%、3は3.4%、4は2.3%

 正答率は9割超え。簡単だなあ、と思って出したので予想通り。

問20

 ここまで解いてくれてありがとう!最後はみんなに5点プレゼント!

問20 この画像に描かれている3人によるユニットの名称を答えよ。

 正解はR.B.P.です。正答率は95.6%でした。円グラフをわざわざ上げるほどの問題でもないですね。この画像の出元はオンゲキ公式Twitterの2024年のあけおめツイートです。まあこんな知識は知らなくても余裕で解けますが……

おわりに

 今回の問題について喋りたいことは全部喋り終えたのでこのへんで筆を置きます。全体として予想以上に出来の良かった問題が多く、考えていた平均点ラインをかなり大幅に超過されてしまったのがやや悔しい感じではあるので次に出題に関わる際は少しだけ難易度を上げさせていただくかもしれません。それでは。

 

補足:ジャンル名の歴史について

 問8のジャンル名問題に関する解説をしたところ、卵生 Мороже(@Morojenium)様より以下のように情報提供を頂いたので追記します。一部、改行と句読点を当初頂いた文章より改めております*18

 

 曲をジャンル名で呼ぶ文化の起こりはbeatmaniaIIDXではなく5鍵beatmaniaで,曲をジャンル名で呼ぶ風習も5鍵beatmaniaが先です.5鍵beatmaniaの動画を見ていただくとわかるんですが曲名が選曲画面に表示されてなくてジャンル名しか書いてないんですよね.

 それでなぜ「こうなってた」かなんですが,察するに,初見さんを大事にするための設計だったんじゃないかと考えられます(初のBEMANI音ゲーであり,プレイヤーの全員が新入りなので).

 たとえば u gotta groove という曲名を見ても初見の人にとっては特に情報は増えないので,その代わりにHIP-HOPって選曲画面にでかでかと書くことにしたわけです これは現代の感覚からすると謎だと思いますが,当時はバナーやプレビュー機能もなかったので,そう考えると曲の特徴を掴むためにジャンルを記載したのは自然ではあります.

 その後,(音楽的意味での)同じジャンルの曲が増えたら識別できないことに気づいたのか,数作後にUIの見直しが行われ,ジャンル名表記は曲名の横にただ添えられるだけの存在になりました.で,beatmania IIDXではこれが今も続いています.

 しかしそうした見直しが行われる前に1998年に世に出た現存AC音ゲー最古であるところのpop'n musicというゲームがあります.このゲームはbeatmaniaの派生作品で,ファミリー・子供向けのフレンドリーな雰囲気を帯びたものとしてリリースされました.beatmaniaの派生作品なので,曲名では無くジャンル名で呼ぶという当時のbeatmaniaの伝統をそのまま残しています.

 機種自体のフレンドリーな雰囲気と,曲の特徴をわかりやすく示すマーカーであるジャンル名表記が噛み合った結果,ポップンにおけるジャンル名は音楽のジャンルを離れて曲の識別子として機能していました.

 選曲画面も AC20 fantasia 以前はジャンル名表示がデフォルトだったため(そもそも曲名から選ぶ機能は AC17 THE MOVIE で初めて搭載された),基本的に曲をジャンル名で呼ぶのが当たり前でした(曲名でわざわざ呼ぶと通じない可能性が高くなるだけなので).

*1:一応、この問題は実力テストの趣なので別にこれでもいいのですが、本家のような選抜試験としても利用される試験であれば不適格だなと思います

*2:再び解き直した事例も含みます

*3:最近は半年近くアンストしてたけど

*4:このブログ書いてる時に表記ミスに気づきました!ごめんなさい

*5:Act.2当時

*6:「4周年記念!オンゲキスタッフメッセージその2 音撃譜面部会報特別編|オンゲキ bright MEMORY公式サイト|セガ新作音ゲー」より抜粋

*7:同僚目線だと譜面制作スピードが爆速なことでありがたがられているとか

*8:Act3で15に上がったらしいけどおれはまだ認めてないぞ!

*9:そもそも今とは音ゲーの『曲』に対する捉え方がまるっきり違った、ということですね

*10:移植などの関係で重複することもあった

*11:筆者はBEMANIに明るくないのでこのあたりの事実関係にミスがあればご指摘ください

*12:このあたりの記述はMorojenuimさんのご指摘により加筆修正しています。ありがとうございます

*13:椿推しのPNの後ろ3文字のBTZの由来とされています

*14:例えば、SYMPHONIC SAVIORって音楽ジャンル名としてどうなん?ってなりますよね

*15:エータがAct.3で再び14に戻った

*16:正直な話Fragrance赤は普通に消えて欲しいです、別に出来ても楽しくないので

*17:イベントのカードなのでSSRは咲姫と茜しかない

*18:オンゲキのジャンル名まとめ記事の作者と同じ方です